2024年12月3日に突如「非常戒厳」を宣言した、
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が罷免されることが決定しました。
過去にも韓国の大統領は、退任後に捜査や逮捕、裁判に巻き込まれるケースが多いことで知られています。
これは韓国の政治の特徴とも言われていますが、
今回の尹大統領には、いったい何が起きたのでしょうか?
【なぜ】ユン大統領が罷免
尹錫悦大統領は、2024年12月3日に「非常戒厳」を宣言しました。
この戒厳令は、国家の非常事態を理由とするものではなく、野党との予算案を巡る対立や不正選挙疑惑を理由に発動されました。
しかし、戒厳令の内容には以下のような問題が含まれていました:
- 政治活動の禁止やメディア統制を命じる布告令の発表
- 軍隊が国会に突入し、国会の権限行使を妨害
- 中央選挙管理委員会への侵入など、憲法や法律に違反する行為
戒厳令はわずか6時間後に解除されましたが、この行動は韓国国内で大きな反発を招き、野党だけでなく与党内からも批判が強まり、国会は戒厳令解除を要求する決議案を可決しました。
その後、ユン大統領は憲法裁判所にかけられ、
裁判官8人全員が一致して弾劾を支持し、尹大統領は即日罷免されてしまいました。
ちなみに、次期大統領選では、野党「共に民主党」の李在明氏が有力候補とされています。

なんで急に「非常戒厳」を宣言するほどのことになったんだろう…?



何が起きていたのか、調査してきました。
【陰謀論】ユン大統領に何が起きた?


1.不正選挙陰謀論
この疑惑を理由に、選挙管理委員会や国会に軍を派遣し、戒厳令を発動しました。
しかし、この主張には具体的な証拠がなく、むしろ根拠のない陰謀論として批判される結果に。
- 一部の保守派や極右団体は、選挙管理システムがハッキングされた、偽の投票用紙が使用されたなどの主張を展開しましたが、これらは事実無根であることが確認されています。
- 尹大統領の支持者の間では、「中国共産党が選挙に介入した」という説が広まり、デモや抗議活動が続いています。
- 尹氏は不正選挙を理由に国家情報院や国軍防諜司令部に調査を命じましたが、核心的な証拠は得られませんでした。
そのため、この陰謀論は戒厳令を正当化するための自己合理化だった可能性が指摘されています。
2.戒厳令の目的に関する疑惑
- 軍事的な権力掌握の試み
尹大統領が戒厳令を利用して、国会や選挙管理委員会を封鎖し、反対勢力を排除しようとしたという見方が。 - 戦争を利用した延命策
一部の陰謀論では、尹大統領が北朝鮮との緊張を意図的に高め、戦争状態を利用して戒厳令を正当化しようとしたとされています。 - スキャンダル隠し
尹氏が非常戒厳を発令した背景には、自身や妻に対するスキャンダル(「ミョン・テギュン・ゲート」や「キム・ゴンヒ特検」)から目を逸らす目的があった可能性も指摘されています。
この点から、不正選挙陰謀論は自己保身のために利用されたとの見方もあります。
3.反国家勢力の陰謀論
この主張は彼の支持者の間で広まり、尹氏を「共産主義者に牛耳られた体制の犠牲者」と見る声も出ています。
「STOP THE STEAL(票を盗むな)」というスローガンを掲げたデモが行われ、
アメリカのトランプ大統領の支持者が展開した陰謀論と類似した動きが見られました。
尹大統領は、中国や北朝鮮が韓国の政治に介入していると主張しましたが、
これも具体的な証拠がないまま発言されたため、
韓国国内外で批判を招き、外交的な混乱を引き起こしたと言われています。



他国の選挙介入を訴えたけれど、証拠は出てこなかったのか…



少なくとも、政治的に混乱はしている状況なので、他国に利用されないと良いのですが…
政治ブローカーのミョン・テギュン氏が、尹錫悦大統領夫妻との親交を背景に、選挙での公認候補選びに介入し、金銭的利益を得た疑惑。
野党主導で特別検察法案が可決され、尹氏夫妻への捜査が進められています。
尹錫悦大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏に関する複数の疑惑を調査するための特別検察法。
具体例には、株価操作への関与や知人から高額な贈り物を受け取った問題や、選挙公認への介入や政治的影響力行使など。
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