アメリカの政府開発援助機関「USAID」は、日本で言うところのJICA（国際協力機構）に近い存在です。
しかし、USAIDは単なる援助機関ではなく、政治的な影響力を持つ点が特徴とされています。
なぜ、トランプ大統領はそこまで問題視するのでしょうか？
USAIDは日本で言うと何と言う組織？何が違う？
| 項目 | USAID | JICA |
|---|---|---|
| 設立年 | 1961年 | 1974年（前身の海外技術協力事業団設立） |
| 管轄 | アメリカ合衆国政府（独立機関） | 日本政府（外務省の管轄下） |
| 主な活動内容 | 災害救援、人道支援、経済開発、民主主義促進、環境保護など | 開発途上国への技術協力、資金援助、災害支援、インフラ整備、教育支援など |
| 活動地域 | 世界100か国以上 | 世界150か国以上 |
| 資金源 | アメリカ政府の予算 | 日本政府の予算 |
1961年に設立され、世界中で災害救援、教育支援、民主主義の促進、環境保護、保健医療の改善など、
多岐にわたる活動を展開しています。
USAIDとJICAとの主な違い
予算規模
・USAID：年間400億ドル以上の巨額予算を管理
・JICA：予算規模はUSAIDほど大きくない
活動の特徴
・USAID：アメリカの国益と直結し、戦略的な外交ツールとしての側面が強い
・JICA：より中立的な立場で、途上国の自立的発展を重視
実施体制
・USAID：多国籍企業やNGOとの協力が顕著
・JICA：政府方針に基づき、主に日本の技術や知見を活用
- 戦略的外交ツール：アメリカ企業の新市場開拓を支援する側面がある
- 大規模プロジェクト：HIV/AIDS対策プログラム「PEPFAR」など、世界最大規模の支援を実施
- 民間セクターとの連携：GE、ボーイング、モデルナなど、アメリカ企業との協力が多い
- 幅広い活動分野：経済成長、医療、農業、気候変動対策など、多岐にわたる
- ソフトパワーの行使：同盟国との関係強化や国際的な安全保障向上に寄与
USAIDは、アメリカの国益を強く反映した活動を展開する一方、
JICAはより中立的な立場で途上国支援を行うという点が大きな違いと言えます。
ソフトパワー（Soft Power）とは、軍事力や経済制裁などの「ハードパワー」ではなく、文化や価値観、外交努力を通じて他国に影響を与える力のことです。
これは、政治学者ジョセフ・ナイが提唱した概念です。
USAIDの何が問題視されている？
政治的介入の疑惑
USAIDは人道支援機関を標榜していますが、
アメリカの地政学的利益を推進するツールとして機能しているという批判があります。
- 2014年のウクライナ革命への関与が疑われており、民主的に選出された大統領の追放に加担したとの指摘があります。
- インドでの市民権改正法に反対するデモへの支援など、主権国家の国内政治に干渉しているとの懸念があります。
文化的帝国主義
- 同性婚やトランスジェンダーの権利など、進歩的な社会的議題を推進
- インドでは、現地の伝統的価値観に反するとされる性教育プログラムを実施
資金管理の問題
USAIDの支援が現地でどれだけ効果を上げているかについて、十分な評価が行われていないとの批判があります。
一部では、巨額の予算が現地に届かず、資金の無駄遣いや支援の重複が発生していると指摘されています。
また、USAIDの資金の使途やプロジェクトの選定過程において、透明性が不足しているとの批判があります。
これにより、支援が本当に必要な人々に届いているのか疑問視されています。
KUMAアメリカのCIAの出先機関として、いわゆるスパイ活動をしていたんじゃないかとの噂もあるね…
USAえ、怖い！
支援と見せかけて、実は裏の目的があったかもなんて…！
まとめ｜USAID(米国際開発庁)は日本で言うとJICA！
USAIDは、日本のJICAと似た役割を果たす機関ですが、活動の背景にはそれぞれの国の外交政策や戦略が反映されています。
USAIDは、国際的な人道支援や開発支援において重要な役割を果たしてきましたが、近年の政治的影響や運営上の問題がその活動を制約しています。
特に、予算削減や支援停止がもたらす国際的影響は深刻であり、アメリカの外交戦略や国際的な信頼性にも影響を及ぼしています。
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