日本製鉄がアメリカの大手鉄鋼メーカーUSスチールを買収する計画において、
違約金が発生する可能性が注目されています。
この違約金の背景には、買収契約における双方の責任や、
アメリカ政府の規制による買収阻止が関係しています。
日本製鉄のUSスチール買収計画の経緯は
- 国内市場の需要縮小:日本国内の鉄鋼需要が右肩下がりとなり、日本製鉄は厳しい事業環境に直面
- グローバル展開の必要性:世界市場に活路を見出すため、グローバルネットワークの構築が不可欠と判断
- USスチールが買収先を探す:USスチールが買収先を求めているという情報が日本製鉄にとって好機だった
- 買収合意の発表:2023年12月、日本製鉄はUSスチールを買収することで両社が合意したと発表
- 買収計画の内容:買収額は約141億ドル(約2兆円)で、日本製鉄は雇用維持や追加投資などの計画を発表
- 審査過程:アメリカ政府のCFIUS(対米外国投資委員会)が買収計画を審査しましたが、全会一致に至らず、最終判断はバイデン大統領に委ねられる
- 労働組合との対立:現地の鉄鋼業界労働組合(USW)との交渉が難航
- バイデン大統領による禁止命令:2025年1月3日、バイデン大統領は国家安全保障上の懸念を理由に、この買収計画に対する禁止命令が出される
この買収計画は、日本製鉄が国内市場の縮小に対応し、
グローバル展開を加速させるための重要な戦略的決断でした。
なぜ日本製鉄がUSスチールに違約金を払うの?
- 日本製鉄がUSスチールを買収する契約において、
買収が不成立となった場合、
日本製鉄はUSスチールに 5億6500万ドル(約890億円) の違約金を支払う義務が発生する - 一方で、買収がUSスチール側の事情(例えば株主総会での否決など)で不成立となった場合には、
USスチールが日本製鉄に違約金を支払う契約
USスチール側の事情じゃないから、違約金を支払わなければならないのか…
日本製鉄とUSスチールは共同声明を発表し、この決定が政治的な思惑によるものだと批判しているよ。
- 契約上の取り決め:
買収契約では、双方が合意した条件を満たせなかった場合に備え、
違約金条項が設定されることが一般的です。
これは、契約不履行による損害を補償するための仕組みです。
今回のケースでは、日本製鉄が買収を完了できなかった場合、
USスチールに対して違約金を支払う義務が発生します。 - アメリカ政府の買収阻止:
アメリカ政府は、国家安全保障上の懸念を理由に
日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止しました。
具体的には、対米外国投資委員会(CFIUS)が
安全保障リスクを巡る意見の一致に至らず、
最終的にバイデン大統領が買収を禁止する命令を出しました。
このような政府の介入による買収阻止は、
契約上の「外的要因」に該当するため、
日本製鉄が違約金を支払う必要が生じる可能性があります。
この違約金の設定は、大規模な企業買収における一般的な慣行であり、
買収計画の不成立に伴うリスクを両社で分担する目的があります。
しかし、今回のケースでは政治的な要因により買収が阻止されたため、
日本製鉄の今後の対応は
両社は、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)による買収計画の審査が「著しく適正さを欠いていた。バイデン政権の政治的目的を満たすためにあらかじめ決定されたものだ」と非難した。「法的権利を守るためのあらゆる措置を講じていく」とし、手続きの適正さなどを争い、提訴などに踏み切る方針だ。
Yahooニュース
USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)は
両社は共同声明で「米国での事業継続を決して諦めない」と表明し、
買収計画の実現に向けた意欲を示しました。
しかし、20日に就任するトランプ次期大統領が計画に「全面的に反対」の立場を取っており、
決定が覆る可能性は低いと見られています。
買収計画が今年6月までに完了しない場合、
日鉄はUSスチールに約890億円の違約金を支払う義務が生じる可能性があり、
世間の反応は
US スティールは、日本製鉄による買収が成立しなかった場合のリスクを考えて、今回の買収交渉に応じる条件として日本製鉄に800億円を超える巨額の違約金を要求していたとみられる。
ただ、US スティールが日本製鉄から巨額の違約金を受け取ることになっても、今回の買収が不成立に終わったことによるUS スティール側の経済的損失は全くカバーできない。
日本製鉄が提示していたUSスティールに対する買収条件は、米国内で雇用を創出し、米国の鉄鋼産業の発展に貢献するものであった。
千載一遇のチャンスを逃したことで、USスティールの高コスト体質はそのまま温存されることになり、国際競争力は一段と弱まり、米国の鉄鋼産業の衰退に拍車をかける結果になるだろう。
バイデン大統領の判断は、中国の鉄鋼産業の躍進を後押しし、米国の国益を損なうものだ。
こうやって日本企業から890億円もむしり取ろうとしています。
以前、東芝も1100億円むしり取られました。
1999年のことです。同社製ノートPCに搭載しているフロッピーディスク制御ICのマイクロコードに不具合があり、書き込みエラーによりデータを破壊する可能性があるとして、保証違反などを理由に損害賠償などを求められました。
東芝は、FDCに制約があることは認めていましたが、「そのことが原因でデータが破壊されることはなく、現在までに1件も苦情の報告がない」として、争いました。しかし、米国では「実際に被害が発生していなくても、その可能性があれば法的救済が求められる」考え方があったため泣く泣く和解に応じたわけです。
無茶苦茶ですよ。
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まとめ|なぜ日本製鉄はusスチールに違約金を払うの?
日本製鉄がUSスチールに違約金を支払う可能性があるのは、契約上の取り決めに基づくものです。
特に、アメリカ政府の買収阻止が契約不成立の直接的な要因となっており、
これが違約金リスクを引き起こしています。
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