Jリーグで好調な町田ゼルビアの黒田剛監督は、その独自の戦術や発言で注目を集める一方、批判も少なくありません。
特に守備的なプレースタイルや、試合後の発言などが賛否両論を呼んでいます。
しかし、批判が多いということは、良くも悪くも監督としての存在感が強い証拠とも言えるかもしれません。
町田ゼルビアの監督は黒田剛氏
- 名前:黒田 剛(くろだ ごう)
- 生年月日:1970年5月26日
- 年齢:54歳(*2024年10月時点)
- 出身:北海道札幌市
- 1986-1988:登別大谷高等学校(現:北海道大谷室蘭高等学校)
- 1989-1992:大阪体育大学で選手としてプレー
- 1994:青森山田高校の監督に就任、28年間指揮
- 2023:FC町田ゼルビアの監督に就任、自身初のプロチームの指揮を執る
2023年5月度には、月間優秀監督賞を受賞。
10月22日のロアッソ熊本戦に勝利したことで2位以内を確定させ、就任初年度でチームをJ1昇格。
第10節以降首位を一度も譲らず、連敗は1度も無かったそう。
プロのチームの就任一年目で、ここまで結果を出すとはすごいですよね!
2024年にはJ1リーグで好成績を収めており、特に開幕から連勝を記録するなど注目されていました。
町田ゼルビア黒田剛監督の良い評判は
- 「高校サッカーの名将」青森山田高校での成功
・2005年度に監督として第40回高校総体で優勝。
・2016年度に監督として高円宮杯U-18サッカーリーグと、第95回全国高校選手権でそれぞれ優勝するなど、同校を屈指の強豪クラブへと導いた。 - 町田ゼルビア就任1年目でJ2優勝とJ1昇格
・勝つためのサッカーとして評価する声
・大量の新加入選手を短期間で機能させる手腕
・高い目標設定と、それに向けたチームの結束力
・試合分析に重点を置き、選手と共にプレーを振り返る
黒田剛監督は、名門・青森山田高校を計7度の全国大会優勝に導き、屈指の強豪校へ育て上げた手腕から、
高校サッカーからJリーグというルートを切り開いた初めての監督となりました。
町田ゼルビアの監督に就任した際には『プロでは無理』という批判を受けたましたが、
そう思っている方がいるのは理解しています。
プロで長く監督をやられてきた方にしたらプライドもあるでしょうし、プロ1年目の私に負けられないという思いもあるでしょう。
ただ、町田も覚悟を持ってオファーをしてくれたわけで、やるからには絶対的な爪痕を残したい。
黒田監督の戦術的な特徴としては、
- シンプルな戦術で個人の能力を最大限に引き出す
- ディフェンスは基本原理を徹底し、激しいプレスをかける
- ロングスローを効果的に活用している
- 攻撃は縦に早く、ロングパスを多用する
J2は上手いサッカーを志向することよりも、強度、堅守速攻、切り替えの早さに舵(かじ)を振った方が、勝ち点を稼げる傾向があります。
Sportsnavi
勝ち点を得るために割り切ったサッカーで結果を残し、あえてやりたくないこともやった側面もあったと言います。
しかし、これが結果的にJ1に上がっても通用し、上位をキープする要因となっているのかもしれませんね。
SNSの評判は
町田ゼルビア黒田剛監督の悪い評判は
- FW藤尾翔太によるPK直前の「水かけ行動」や、DF望月ヘンリー海輝によるスローイン前に「タオルフェイク」などのプレーが話題に。ネット上では「汚いやり方で勝っているだけ」との声も。
- ロングボール主体の守備的なサッカーに「アンチフットボール」や「エンターテインメント性の欠如」といった批判も。
- 黒田監督の発言や言動がしばしば炎上したり、話題になったりしています。
水かけPKとロングスローのタオル問題
水かけPK問題については、FW藤尾翔太選手が2024年8月17日のジュビロ磐田戦でPK時にボールに水をかける行為が議論を呼びました。
この行為は主審によってボールの交換を命じられ、JFAの審判委員会も「競技規則には明記されていない」としつつも、主審の判断を支持しました。
特にサンフレッチェ広島戦では、広島のスタッフが町田のタオルを持ち去り水をかけるなどの行為があり、黒田監督が「反スポーツ的行為」として強く非難しました。
ただし、これも元々ピッチサイドに町田のために勝手にタオルが置かれており、相手からは「邪魔」であったり「危険では?」との声が上がっていた背景があり、
また、タオルでボールを拭くのに時間がかかる為、時間稼ぎと言った批判もありました。
町田ゼルビアの行為は戦術的には許可されているものの、相手チームへの配慮が欠けているとの指摘も。
一方で、他チームによる妨害行為もフェアプレー精神に反する可能性があります。
黒田剛監督の炎上発言
青森山田高校時代の行動
数々の栄冠を手にした高校時代も、黒田監督の動画が出回って非難されることがありました。
タッチラインの外で戦況を見ている黒田監督の足下に相手ボールが転がってきた時の動画で、
黒田監督はボールを拾い上げると、タッチラインにやってきた相手選手とは別の方向にポンと投げてしまいました。
「これは相手に素早くリスタートさせないためだ」と大きな非難が集まったのです。
しかし、これには事情があって…
あのときは、ボールを拾いながら走ってきた選手を見たんですよ。
でも彼は僕が見たとき、横を向いてたんです。
そうしたら逆方向からもう1人、こっちに向かってくる相手選手が見えた。
それで僕は視線が合っていない選手はスローインをしないんじゃないかと思って、もう1人の選手に向かって転がしたんです。
別の角度から見たら、また違った見え方だったのでしょうが、たまたま悪い印象が残る動画が拡散されてしまったようですね。
発言の切り取り
2024シーズンの始動直後に「あんまり足元でチャカチャカやって、何本パスをつないで点数を取るというのが果たしてサッカーか、と言った時にやっぱり日本の『甘さ』というのはそこにある」と語っていた。
「ムキになってつないでいるディフェンス陣がいる」「何と戦っているのかが分からない」などのセリフもあり、パスサッカーを標榜しているチームのファンは、すっかり自分たちが批判されていると受け取って「黒田憎し!」「町田憎し!」になってしまう。
日刊ゲンダイ
しかし、これは発言の一部を切り取られたものであり、実際はあくまでデェフェンスゾーンのみでの話だったことが、後に判明しています。
今ではネットで簡単に悪意を持って切り取られ拡散されてしまうのは、恐ろしいですよね。
筑波大学への批判
「町田は決して悪ではない。われわれが正義であり、言いたいことは言う、良くないことは良くないと訴えること、自分たちのやるべきことを貫いていくこと。そういったことが日本サッカーに必要なパワーだと思う」
東スポ
「われわれが正義であり、良くないことは良くないと訴える」と発言し、これがネット上で「余計な発言」「大人げない」と批判されることに。
町田ゼルビアもファウルやラフプレーが多いと言われており、それを棚に上げて、自分たちがやられたら相手を批判するのか、といった趣旨で炎上したようです。
「自分たちが正義で他は悪」というのはまるで何処かの国の独裁者のようです。
悪質なプレーをする選手についても「移籍前はこんな選手ではなかった」というコメントが見られるのはある意味指導力に長けた、言い換えると恐ろしい洗脳力ではないでしょうか。
とはいえ、この試合では町田ゼルビアに負傷者が4人も出ており、監督としては選手を守るために発言せざるを得なかったのでしょうね。
ロングスローのタオル問題
J1優勝を争う天王山で広島に敗れた際の発言で炎上
町田がピッチサイドに用意していたタオルに広島が水をかけたことが発端になった。大きな武器の1つであるロングスローの際にボールを拭くためのタオルだっただけに、黒田監督は激怒。
「反スポーツ行為に値すると思う。ロングスローは守備の対応力で阻止するべき。正々堂々とやってほしい」とブチ切れた。
Yahooニュース
ところが、この発言がヤブヘビに、自身の過去の言動などが蒸し返され、
どの口が言っているのか
じゃあ藤尾のPK水掛けは?
町田の方がマナーが悪い
などと、SNSで炎上騒ぎになりました。
米スポーツ専門サイト『ジ・アスレチック』は、30日に町田の現状を特集
「彼には闇の魔術がある。明文化されているルールと暗黙のルールの両方を曲げる、少しばかり陰湿なやり方で、相手を苛立たせる。たとえば、彼は相手選手がスローインをするとき、数センチ離れたところに立っていた。相手にボールを返す場面で、彼はボールを逆方向に転がした。彼がサイドラインでピッチに唾を吐く癖に、人々は苛立っている。不正行為は存在しないものの、町田は汚いチームだとレッテルを貼られている」
黒田監督の行動が話題になったのは、6月1日の第17節アルビレックス新潟戦でのことです。
町田が1-3でリードを許している78分、黒田監督は選手に指示を出しながら、ピッチに唾を吐くシーンが『DAZN』の中継動画で拡散されることに。
この行為に対し「監督がそんなことするのは良くない」と批判が集まる一方で、
「他の監督もしているのでは?」「なぜ町田だけが批判されるのか」と擁護する声も見られました。
町田ゼルビア黒田剛監督に元選手達の声は
太田宏介さん
元日本代表DFで去年町田で引退した太田宏介氏によると
太田氏が真っ先に挙げたのは黒田監督の”言葉のマジック”だ。
「監督の言語化能力がよく取り上げられていますが、お話や言葉自体が独特で面白いんです」
Yahooニュース
黒田剛監督の的を射た指摘が選手達の心に響き、奮い立たせるのだそう。
「ミスに対して本当に厳しく指摘します。ミスや良くないプレーをした選手に『ここでこういうプレーをしては絶対にダメ』と忖度なくはっきりと伝えるのです」
Yahooニュース
多くのJリーグの監督は主力やベテランに配慮するが、黒田監督は全選手を平等に扱います。
忖度せず厳しい指導をする一方、その一貫した姿勢が若手選手を含め、多くの選手に信頼されているそうで、
最初は戸惑う選手もいましたが、平等な扱いが浸透すると、選手たちも納得し共感が生まれてきたのだとか。
本田圭佑さん
元日本代表の本田圭佑さんも、黒田監督と交流があったそうで、
「本当にJ2去年優勝した時も、うれしくて。膝の手術した時、青森で黒田さんと話す企画があって。その話した流れがあってからの優勝だったので、めちゃめちゃ共感する部分が多くて。J1来てさすがにもう厳しいやろな、と思ってたら想像超えてきて。すぐ落ちるやろなと思っていたら、さらに想像超えてきて」
と驚きつつ、このまま突っ走る可能性にも言及した。
日刊スポーツ
「黒田監督が優れている点は?」という質問には、
うん。キャラっすね。
岡田さん(岡田武史氏)とはまた違う、強烈なリーダーシップがある気がしますね。
と、元代表監督の名前を上げて、強烈なリーダーシップがある点を評価していました。
名良橋晃さん
元日本代表・鹿島アントラーズOBの名良橋晃氏は、YouTubeチャンネル内で私見を述べています。
「強い部分しか周りの人は見ていない。青森山田時代もそうだけど、黒田監督が苦労している部分を見ていない。今は想像できないけど、青森山田高校でゼロから作り上げてきた。(今の黒田監督を見ていると、)嫌われ役を買って出ているのかなと、僕は感じている。試合にフォーカスというよりも、自分の発言にフォーカスさせてという。そのような狙いもあるのではと感じる。」
FOOTBALL-TRIBE
チームを守るために、嫌われ役を買って出ているのでは?との印象を持たれたようです。
実際は、ピュア(純粋)な人で、シンプルに勝利へのこだわりが強いだけだと話されていました。
選手を守るための発言なのかな…?
すべては勝利へのこだわりなんだね!
まとめ|町田ゼルビアの黒田剛監督の評判は?
黒田剛監督の評判は、彼の成功と同時に、その戦術や指導方法に対する批判によって、賛否両論となっています。
彼のアプローチは結果を出している一方で、サッカーの美学や倫理的な側面での議論を呼んでいます。
今後、黒田監督がこの評価をどのように受け止め、チームをどう導いていくかが注目されるでしょう!
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